まずは簡単に自己紹介を。
私はパティシエとして10年以上働き、生産管理などを経て、
いまは全国のケーキ屋さんやカフェのお手伝いをする事業をしています。
その経験の中でケーキ屋さんをより良くするためのアイデアを100コまとめてみました。
ただ、 あくまでお店を今よりも「より良く」するため。
そして、実例ではなく「アイデア」として書きました。お店の運営の参考になれば幸いです。
今回はお店の印象を決める大きな要素である、【販売業務】について書いてみます。とある大御所の有名パティシエは「味の8割が接客で決まる」と言っていた程に販売業務は重要です。
パティシエが販売業務も兼任しているお店も多いかと思いますので、ぜひパティシエの方にも読んでいただけると嬉しいです。
23:陳列にストーリーを作る
お店で一番売りたい商品を目立たせるためには、その商品ができるまでのストーリーを伝えます。伝えるべき内容は
・なぜその商品は生まれたか?
・どう美味しいのか?
そして、伝える方法は
・写真を飾る。
・材料をお店に並べる。
どれもシンプルですが、商品のストーリーを伝えることが美味しさの一部になります。
1番売りたい商品はお店に入った瞬間にわかるように配置し、その商品ができるまでのストーリーをお客様に伝えましょう。
それを見たお客様は、つい手に取ってしまうはずです。
1番売りたい商品のストーリーを伝えることで、お店にくるお客様の10人に1人が買ってくれるようになればその商品は合格ラインに達したと考えていいでしょう。
24:商品のストック場所を整理する
店頭に並べる商品の先入先出をするためにも、バックヤードにある商品は整理整頓しましょう。
製造日の古い商品から順番に販売する手法のことをいい、この先入先出の管理方法は物を管理する上で基本的なルールとされています。
先入先出が機能せず、賞味期限の管理でミスをするとお店の信頼を失ってしまいますし、店頭で販売できる期間が短くなってしまいます。
キレイに整理されていると在庫状況もパッと見るだけで判断でき、商品の補充や追加製造の検討がしやすくなります。
キレイに整理されているかどうかの基準は「お客様に見られても恥ずかしくないか」という視点が大切です。お客様に見られないバックヤードも店頭と同じレベルで整理整頓すると良いでしょう。
お店の広さによっては商品を保管するスペースを確保する事は難しいと思いますが、狭いスペースには狭いなりの整理の仕方があります。
例えば、番重を使っての保管をやってしまいがちですが、スペースに無駄が生まれます。
簡単な解決方法は100均のものでいいので、コンパクトなカゴやファイルBOXを上手く活用するとキレイに保管ができます。
25:包材の保管場所を整理する
包材も商品と同じく在庫状況をすぐに見て判断できる様に整理整頓しましょう。包材の在庫は発注ロットによって、ついつい過剰になりがちです。
包材の購入金額はバカにできません。雑に管理をしてしまうと、結構な金額が倉庫に眠ったままになってしまいます。
特に貼り箱や缶など小さく畳めない包材は場所を取りますし、過剰在庫は経営を圧迫してしまいます。
適正在庫を徹底させるためにも整理整頓が大切です。
おすすめの保管ルールは
② 店内に保管する包材の数は常に一定の数にする。
③ 閉店時に、使った包材は必ず補充する。
④ 包材ごとに発注点を決め、在庫がその数になったら発注する。
この様に
・保管場所を最低限にまとめる
・発注ルールを決める
の2点を守ると整理整頓がしやすくなります。
保管場所が荒れる理由は保管場所がバラバラだったり、過剰発注で在庫が過剰な時に起きるものです。
26:お客様の動線を整える
ショーケースの前はケーキをじっくり選びたいお客様で混雑しがちです。
また、レジにもお客様が溜まりますし、ケーキの包装待ちのお客様もいます。
パティスリーの混雑ポイントは
①ショーケース前
②レジ前
の2点です。
それぞれの動線を明確にし、お客様に不満を感じさせないようにしましょう。ショーケース前はお客様がしっかりとケーキを見れるように入店からの動線をはっきりとさせましょう。
例えばショーケースが左右どちらの方向からも見れると、お客様の動線がぶつかってしまいますし、注文の順番もバラバラになってしまいます。
レジ前は会計待ちのお客様と商品受け取り待ちのお客様が混同しないようにしましょう。レジの待機列の場所を伝え、商品受け取り場所はエリアを決めその範囲で待機してもらえる様に伝えましょう。例えば、スタバはオレンジのランプの前でコーヒーができるのを待ちますよね。
伝え方は床にラインを書いてもいいですし、バーで仕切ってもかまいません。とにかく、わかりやすい動線を作りお客様に不快感を感じさせない様に気をつけましょう。
27:フルーツの産地、品種を伝える
普段、何気なく使っているフルーツでも産地をお客様に伝えましょう。
語弊がある言い方かもしれませんが、特別こだわっていないフルーツでも産地を表示しましょう。
例えこだわりのない平凡なフルーツであっても、産地が書いてあるだけで目をひきます。
フルーツをメインとしたお菓子に[〇〇産のフルーツを使用]と小さなポップをつけたり、産地だけでなくそのフルーツの品種も書き加えるとなお魅力的になります。
例えば
・ショートケーキ
・ケークフリュイ
この3つの商品にポップをつけるとしたら…
「宮崎県産の完熟マンゴーを使用したフルーツタルト」
「日本で数%しか栽培されていない希少な夏いちご「なつあかり」を使用したショートケーキ」
「ブドウ栽培の気候条件が最高の国「トルコ」で栽培されたブドウから作られた干しぶどうを使用したケークフリュイ」
本当にこだわって使っているフルーツははもちろん、レーズンの産地として一般的なトルコでもこの様に一言加える事で魅力的なお菓子に変わります。お客様にはお菓子の味だけでなく情報も伝える事が大切です。
28:美味しい食べ方を伝える
お店の商品で、スタッフが見つけた美味しい食べ方をお客様に伝えてみましょう。
例えば
「フィナンシェをレンジで10秒温める」
「ガレットブルトンヌとバニラアイスを一緒に食べる」
こんな簡単なものでいいんです。それがお客様との会話のきっかけにもなります。
モンテールの社長は、エクレアを逆さまにしてチョコの面を下にして食べるとチョコの味がより感じられて美味しい。と言っていました。
簡単な事ですが言われてみると食べてみたくなりますよね。
よくテレビ番組でも、大手菓子メーカーの社員がおすすめする食べ方の特集がされていますよね。それの自分のお店バージョンをやってみるイメージです。
その食べ方の情報を
・お客様との会話のきっかけにする
・SNSの投稿のネタにする
といった感じで活用していくと面白いと思います。
以上で・・・
販売業務編として、6つのアイデアを書いてみました。
100コ全てを読むのは大変なので、必要な時に読みたい項目だけを読んで活用していただけるような構成で書いています。
まだまだ長いシリーズですが、最後まで読んでいただけると嬉しいです。
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すみません。最後にちょっと宣伝をさせてください。
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では、最後まで読んでいただきありがとうございました。